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おせち

おせち料理の由来とは?御節供から正月の重箱へ続く歴史を解説

公開日:最終更新日:読了目安:8分執筆・編集:デイリーヤマザキ ギフト編集部
おせち料理の由来とは?御節供から正月の重箱へ続く歴史を解説

おせちは、季節の節目に神様へ供えた御節供に由来し、やがて正月の祝い料理を指すようになりました。現在の重箱入りのおせちは、供え物、祝い膳、保存食などが時代と暮らしに合わせて重なったものです。

この記事のポイント

  1. 由来おせちは季節の節目に神様へ供えた御節供に由来するとされます。
  2. 正月料理時代とともに、御節供の中でも正月の祝い料理を指すようになりました。
  3. 現在の形重箱、祝い膳、保存食の知恵が重なり、家庭や地域に合わせて受け継がれています。

まず結論|おせちは節目に神様へ供えた料理が始まり

おせちの由来

おせち料理の「おせち」は、季節の節目に行われた行事と、その際に供えた御節供(おせちく)に由来するとされます。もとは正月だけの料理ではありませんでしたが、五節句の中でも特に大切にされた正月の料理を、次第に「おせち」と呼ぶようになりました。

現在のおせちは、祝い肴、口取り、焼き物、酢の物、煮物などを重箱に詰め、家族の健康や豊作、子孫繁栄を願う料理です。ただし、中身、味付け、段数、食べ始める日は地域や家庭で異なります。

おせち料理とは

おせち料理は、新しい年の神様を迎え、家族の一年の無事を願って食べる正月の行事食です。黒豆、数の子、田作り、紅白かまぼこ、栗きんとん、伊達巻、昆布巻き、海老、煮しめなど、一つひとつに縁起のよい意味が重ねられています。

「伝統的な料理をすべて入れなければおせちではない」という決まりはありません。海や山の産物、保存しやすい調理法、家庭の好みを反映してきたため、地域ごとに使う魚や野菜が違い、同じ料理でも甘さや塩味が異なります。

由来と料理の意味は分けて考える

おせち全体の由来は節目の供え物にあります。黒豆や数の子など個々の料理には、後に語呂や形へ重ねられた願いがあります。料理別の意味は別記事で詳しく紹介します。

料理ごとの縁起を知るおせち料理の意味・由来一覧

「おせち」という名前の由来

古くは、季節の変わり目を「節」ととらえ、その日に神様へ食物を供え、宴を行いました。節日に供える料理を御節供と呼び、「おせち」という言葉につながったとされます。

奈良・平安時代の宮中では、節日に節会と呼ばれる行事が行われました。中国から伝わった暦や行事の影響を受けながら、日本の農耕や信仰と結び付き、季節の節目を祝う習慣が形づくられていきます。

江戸幕府が五つの節日を式日として定めたことで、五節句の行事が社会へ広がりました。人日、上巳、端午、七夕、重陽といった節句にもそれぞれの食文化がありますが、やがて「おせち」は一年の始まりである正月料理を指す言葉として定着しました。

御節供は正月だけではなかった

人日の七草、上巳の草餅やひな祭りの料理、端午のちまき・かしわ餅、七夕のそうめん、重陽の菊など、節句ごとに食べ物を供え、季節の無事を願う文化があります。現在「おせち」と聞いて正月の重箱を思い浮かべるのは、数ある節日の中で正月の御節供が特に重視され、言葉の意味が絞られていったためと考えられます。

古い言葉が残っていても、当時の献立をそのまま再現しているわけではありません。米、酒、餅、土地で採れた物を供える行為と、後世に整った祝い肴・口取り・重詰めを分けて見ると、おせちの長い歴史が理解しやすくなります。

宮中行事から家庭の正月料理へ

おせちの変化をたどる
時代・段階 主な特徴
古代 季節の節目に神様へ食物を供え、宮中で節会を行う
中世〜近世 年始の供え物や祝い膳が武家・町人の暮らしにも広がる
江戸時代 五節句の行事が定着し、正月の祝い肴や煮物が地域ごとに発達する
近代 正月料理を重箱へ詰める形が広く知られるようになる
現代 家庭料理に加え、料亭・ホテル・通販の和洋中おせちが選ばれる

現在のような重箱入りのおせちは、長い時間をかけて整ったものです。古代の御節供と、現代の三段重が同じ姿だったわけではありません。供え物、祝い膳、保存食、重詰めなど、複数の習慣が時代の生活に合わせて重なっています。

食材の流通や冷蔵技術が変わると、おせちの内容も変化しました。海から遠い地域では乾物や塩蔵品が重宝され、豊かな漁場を持つ地域では地元の魚介が祝い膳に並びます。砂糖が貴重だった時代には、甘い料理そのものがごちそうでもありました。

「保存食」だけでは説明できない

日持ちする料理が多いのは、年末に作り、正月の来客や家族の食事に備えるうえで合理的だったからです。しかし、おせちの由来を「三が日に料理をしないための保存食」だけで説明すると、神様への供え物や節目の祝いという意味が抜けてしまいます。

塩、砂糖、酢、乾燥などの調理法は保存性を高めますが、当時と現在では住環境も衛生管理も違います。昔ながらの料理だから室温で数日置けると判断せず、作った料理は材料とレシピに合う温度で保存します。

家庭の味が生まれた背景

同じ黒豆でも甘さと硬さ、同じなますでも酢と砂糖の割合は家庭で違います。手に入りやすい食材、保存の必要、子どもや高齢者の好みを毎年調整するうちに、「わが家のおせち」が形づくられてきました。市販品を利用する家庭でも、一品だけ手作りして味を受け継ぐことができます。

なぜ正月に食べるようになったのか

正月は、年神様を家へ迎え、一年の豊作や家族の無事を願う大切な節目です。年末に用意した料理を神様へ供え、家族で分かち合うことで、新しい年の力をいただくという考えにつながりました。

おせちを年末に作り置く理由として、「正月にかまどの神様を休ませるため」「家事を担う人が休めるようにするため」という説明があります。また、親族や来客を迎える時期に、日持ちする料理を準備しておけば、何度も調理せず食卓を整えられる実用面もあります。

ただし、昔のおせちがすべて長期保存できたわけではなく、現代の住宅は暖房で室温が上がります。伝統的な濃い味付けであっても、常温で安全に保管できるとは限りません。現在は、食品表示と保存方法を優先します。

年神様とおせちの関係

年神様は、新しい年の豊作や家族の命をもたらす存在として迎えられてきました。門松、しめ飾り、鏡餅などの正月飾りも、年神様を迎える行事と結び付いています。おせちは供えた物を家族でいただき、神様と食を分かち合う直会の考えにも通じます。

こうした信仰の受け止め方は家庭によって異なります。宗教的な意味を強く意識しなくても、年の区切りに家族の健康を願い、季節の料理を囲む文化として楽しめます。

重箱に詰める意味

重箱には、「めでたさや幸せを重ねる」という願いが込められています。ふたをして重ねられるため、料理を運び、保存し、来客へ取り分ける実用性もあります。

伝統的な五段重では、一の重から与の重まで料理を詰め、五の重を空にする考え方があります。空の段には、年神様から授かる福や、これから増える幸せを入れる余地を残すという意味が語られます。「四」を避けて「与」の字を使うこともあります。

現在は二段重や三段重、一人用の個食重、長方形・円形の器も一般的です。段数が少ないから縁起が悪いわけではありません。食べる人数、冷蔵庫に入る大きさ、料理の量に合わせて選びます。

五の重を空にする意味

五段重の最上段または最後の段を空にする位置づけには、地域や家による違いがあります。空の場所を「まだ入り切らない福のための余白」と見る伝え方は、完成した幸福を閉じ込めず、これからも増えていく願いを表します。

現在の二段・三段重に、無理に空の段を足す必要はありません。重箱の意味を楽しみたいなら、料理を詰めすぎず少し余白を残す、家族の願いを書いた紙を食卓の近くに置くなど、暮らしに合う形で受け継げます。

祝い肴・口取り・焼き物・酢の物・煮物

おせちは、料理の役割ごとにいくつかの組へ分けて考えると分かりやすくなります。詰める段は地域や重箱の数で変わりますが、代表的な構成は次のとおりです。

祝い肴

正月の祝いに欠かせない酒肴黒豆、数の子、田作りなど。関西では田作りに代わり、たたきごぼうを加える考え方があります。

口取り

甘味を含む祝いの品紅白かまぼこ、伊達巻、栗きんとん、昆布巻きなどを盛ります。

焼き物

海の幸を中心とする主菜鯛、ぶり、海老など、地域や家族の好みに合う魚介を使います。

酢の物

味と彩りを整える料理紅白なます、酢れんこん、菊花かぶなどが代表的です。

煮物

山の幸を一緒に煮る料理里芋、れんこん、ごぼう、たけのこ、こんにゃくなどを使い、家族の結び付きも願います。

市販のおせちでは、ローストビーフ、テリーヌ、中華風の海鮮料理、スイーツなどが入る商品もあります。伝統の分類に当てはまらない料理があっても、正月の食卓を家族で楽しむ目的に合えばよいでしょう。

料理をすべて同じ家庭で作らなくてもよい

祝い肴、焼き物、煮物を一人で年末に仕上げるのは大きな作業です。昔も地域や親族で食材を分け合い、出来上がった品を贈り合うことがありました。現在は専門店や食品メーカーが調理した料理を組み合わせられます。

買った料理と手作りを混ぜる場合は、保存期限の短い物を先に食べ、容器へ移すときに清潔な箸を使います。見た目をそろえるために、表示された包装や保存方法を早く外しすぎないようにします。

おせちはいつ食べるか、地域による違い

現在は、元日の朝から食べ始める家庭が多く見られます。一方、北海道や東北など一部地域には、大みそかの夕方から年取りの膳としておせちやごちそうを食べる習慣があります。

「大みそかに食べたら間違い」「元日の朝でなければならない」と一律に決める必要はありません。家族が集まる時刻や地域の習慣を大切にします。通販おせちは、配送日、冷凍・冷蔵、解凍時間、消費期限から食べ始める日時を逆算してください。

現代のおせちの楽しみ方

家族構成が変わり、年末も仕事をする人が増えた現在は、すべてを家庭で作る方法だけが正解ではありません。黒豆と煮しめは手作りし、焼き物や口取りは購入する、少人数用を取り寄せて雑煮だけ用意するなど、無理のない組み合わせができます。

伝統を大切にしたい

祝い肴三種と、家族に伝えたい料理を先に選びます。ほかの料理は好みや人数で調整します。

子どもと楽しみたい

料理の意味を短く話しながら、食べ慣れた肉料理や甘味も加えます。アレルゲンや骨に注意します。

少人数で食べたい

一〜二人用や個食重を選び、食べ残しを減らします。品目数より、一品の個数と重箱寸法を確認します。

準備を簡単にしたい

盛り付け済みのおせちを選び、解凍や冷蔵保管の時間だけ確保します。

おせちの歴史は、古い形を変えずに守った歴史というより、人々が節目を祝う心を残しながら、手に入る食材と暮らしに合わせて変えてきた歴史です。家族が安心して食べられ、新年を一緒に祝えることを中心に考えましょう。

意味を子どもへ伝えるなら、すべての年代や用語を覚える必要はありません。「昔の人も季節の変わり目に、ごちそうを供えて無事を願った」「黒豆には元気に暮らせるようにという願いがある」と、目の前の料理から話すと理解しやすくなります。

家族に伝わるおせちの話があれば、一般的な由来と違っても否定せず記録しておきましょう。どの地域で、誰が、どんな味に作っていたかという記憶も、食文化の一部です。

まとめ|時代と家庭に合わせて続く行事食

おせちは、季節の節目に神様へ供えた御節供に由来し、やがて正月の祝い料理を指すようになりました。年神様を迎え、家族の健康や豊作を願う料理として、地域の食材や保存方法と結び付いて発達しています。

重箱、料理の構成、食べ始める日には複数の形があります。由来を知りつつ、現在の人数、好み、保存環境に合わせ、家族が無理なく新年を祝えるおせちを選びましょう。

おせち料理の由来とは?御節供から正月の重箱へ続く歴史を解説に関するよくある質問

おせち料理は何が由来ですか?

季節の節目に神様へ食物を供えた御節供に由来するとされます。もとは正月だけではありませんでしたが、五節句の中でも特に大切にされた正月の料理を、次第におせちと呼ぶようになりました。

おせちはいつから食べられていますか?

古代の宮中で行われた節会や供え物が源流とされます。ただし、現在のように黒豆や数の子などを重箱へ詰めた姿が古代から同じだったわけではなく、時代ごとの祝い膳や保存食が重なって形づくられました。

おせちを重箱に詰めるのはなぜですか?

めでたさや幸せを重ねる願いが込められています。ふたをして重ねられ、料理を運び保存しやすい実用性もあります。現在は二段・三段・個食重などがあり、段数が少なくても縁起が悪いわけではありません。

おせちはなぜ作り置きするのですか?

年神様を迎える正月にかまどを休ませる、家事を担う人が休めるようにするという説明があります。来客に対応しやすい実用面もありますが、現代は室温が高いため、伝統より食品表示の保存方法を優先します。

おせちは大みそかに食べてもよいですか?

多くの家庭は元日から食べますが、北海道や東北など一部地域には、大みそかから年取りの膳を囲む習慣があります。地域と家庭の習慣を大切にし、通販品は配送日・解凍時間・期限から食べる日時を決めてください。

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